令和元年第4回定例会(12月議会)その1

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  • ■第61号議案
    稲城市手数料条例の一部を改正する条例

    ■第63号議案
    稲城市立学校施設使用条例の一部を改正する条例

    ■第64号議案
    稲城市立公民館条例の一部を改正する条例

    ■第65号議案
    稲城市立公園に設置する稲城市立中央図書館城山体験学習館の管理運営に関する条例の一部を改正する条例

    ■第66号議案
    稲城市立i(あい)プラザ条例の一部を改正する条例

    ■第67号議案
    稲城市体育施設条例の一部を改正する条例

    ■第68号議案
    稲城市学童クラブ設置条例の一部を改正する条例

    ■第69号議案
    稲城市地域振興プラザ条例の一部を改正する条例

    ■第71号議案
    稲城市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例

    ■第72号議案
    稲城市健康プラザ条例の一部を改正する条例

    ■第78号議案
    稲城市立公園駐車場の管理等に関する条例の一部を改正する条例

     鈴木の判断 ➾ 全て賛成

    12/17本会議にて審議され賛成14、反対7にて「原案通り可決」で結審

    賛成14名:北浜・中山・坂田・池田・角田・川村・梶浦(新政会)、市瀬・つのじ・佐藤(公明党)、鈴木・中田(起風会)、岩佐・榎本(改革稲城の会)
    反対7名:岡田・田島・山岸(日本共産党)、荒井・村上・武田・いそむら(市民クラブ)


    《判断について》


    これらの議案は、持続可能な行政運営及び利用者負担の適正化、並びに消費税率の引上げへの対応を図る観点から施設の使用料や行政サービスの手数料、駐車場料金等を見直すものであります。

    我々起風会は、「健全財政の維持」を稲城市の最重要課題と位置付けております。
    現在の稲城市民の暮らしを守ることももちろん大事ですが、そのことを重視するあまり、我々の子・孫世代の「将来の稲城市民」が現在のような行政サービスを受けられなくなってしまったら、元も子もないと考えています。この議案に反対されている議員や市民の皆さまには、目の前の損得ではなく、将来にわたって稲城市の財政を安定させることの重要性について、よく考えて頂きたいと思います。自分が多少なりとも費用を負担することが、「自分の子・孫のためになる」ということです。
    目先のことに捉われず、もっと長いスパンで考えて、将来を見通せる賢明さが私達にも求められていると思います。

    ただ、このように考える大前提として、今回の金額の算出方法が妥当なものである、ということが非常に重要になってきます。
    これについても、我々起風会としては、非常によく検討されていると判断しています。
    持続可能な自治体運営のため、サービス提供に必要となるフルコスト(人件費・物件費・施設や設備等の減価償却費などを合算した総費用)を算出した上で、①民で実施可能なサービスかどうか、②社会生活で必需性が高いかどうかに応じて、3 割・5 割・7 割の利用者負担割合を乗ずることで、算出しているとの説明がありました。
    更に激変緩和措置として料金の値上げ幅は現行費用の2 倍以内に抑えること、近隣市との費用も参照し、他市の水準から大きく外れることのない金額に留めること、登録団体の無料利用は継続するなど、減額・免除措置も適切に検討していること、といった市民生活への影響を最小限に抑える努力をしている点も評価しています。

    我々起風会は、自治会や消防団、自主防災組織といった地域の役割を担ってきました。
    稲城市の現場で自ら汗を流してきたその経験から、公助で全てをカバーすることはできない、といった「公助の限界」を誰よりも実感しております。
    「民でできることは民で」行うべきだと考えます。「あれが足らない、これが必要、もっと安くして」と何でもかんでも行政に負担を押し付けるのは「主体的市民」がすべきことではありません。
    適切に算出された応分の費用負担を引き受け、将来世代に恥ずかしくない「恩送り」をすることが、「主体的市民」としての責務ではないでしょうか。

    「値上げ」というものには誰も良しとはしません。だって今まで無料だったものに料金がかかるのですから。

    市内施設利用者なら特にご存じの通り、各公共施設は老朽化が進み、建て替えを視野に下積み貯金を始めなければなりません。
    「料金値上げしても、ただちに設備が良くならない!」とおっしゃられる方がおられますが、現世利益で今の人々に還元するためではなくて、今利用している人たちが後世も利用が続けられる(公共施設整備基金の積み立て)ための苦渋ではあるが公平な負担をしよう、というのが今回の議案の本質なのです。

    俗に言うところの「建設債」が同様で、よく「稲城市は開発優先で福祉に冷たい!」とある方面は言いますが、道路や上下水道、ガス、電気、学校等のインフラは多世代間に渡って利益を享受できるが故に、債務化して長い年月をかけて公平に負担するシステムであります。
    しかも、インフラ整備により増えた人口が市民税や固定資産税のベース底上げをすることで、将来的な予算が安定して次世代も更新し続ける街に安心して住み続けられるようになるのです。

    また、今回の市役所駐車場に関しては、用事で来た方には無料手続きがされます。
    体育館同様、遊びにきた場合は、負担が発生するのは上述の公平負担の観点では同じです(というかそもそも化石燃料問題はじめとして車利用を少なくして公共交通機関に、というのが政治家が目指すべき大原則ですが)。
    「駐車場整備で毎年900万も赤字が!」なんていうのは、「行政は民業圧迫をしてはならないルール」からすると近隣の民間駐車場に金額を近づけること同様「駐車場料金で儲けるから赤字にはなりません」とは口が裂けても言えないからだと思われます。…幸か不幸か、実際は総合体育館や他各市内公共駐車場ですでに結果が出ているように、長期的には黒字になると見込まれるのですが、それを言ってしまえば「市は儲けるため(一番ご法度の『民業圧迫』)に駐車場を作るんだ!」と、また別角度で言われることになります。
    市議会議員をやっている人間なら、赤字になる~と行政が言っていることの裏返し的意味は良く理解しているのです。それを十二分に分かった上で「政局利用=市政(政治家)を変える、違う人にしなければ」という扇動ロジックにつなげる運動が今回も行われました。

    …少し話は逸れますが、今から10年ほど前に起きた南山開発阻止運動なんかもその典型例です。市民の皆様に「緑は大事ですか?」と聞けば、当然に私だって「緑は大事です」と答えるわけですが、マズイのはその先のやり方。
    「今、南山という大自然が行政によって開発されようとしています、これを食い止めるために市長を変えなければなりません。だから緑が大事なら協力してください」という言葉で多くの人々を扇動し、文字通り市民の善意を政治利用していました。
    この手法が嫌で私はとある政治活動グループ(現在も市議会内に当該会派系列が残っていますが)と決別して、徒手空拳での初選挙に挑むきっかけにもなりました。
    実際には、矢野口~東長沼、百村等の農家の皆さんが相続税の問題で、「目の前の大切な畑を売るか、放置気味の裏山を自分たちが金を払って整備してでも売るか」の2択でやむを得ず出した結論が南山の開発でありました。
    それを当事者でもない人間が、費用も責任も負担せずに「自然を守れー」「開発優先の市長を変えろー」と政局利用したのが事実です。

    代案も出さずただ批判するのは無責任で簡単です。ですが、それで市議として報酬を受け取るなんてボロい商売すぎやしませんか?
    政治なんていうのは、複合的かつ多方面の落としどころを見つける仕事。パーフェクトな正解もなく、ベターだと思われることを選択していくしかないのです。
    赤字の放置、責任の放棄、それどころか人気取りのバラマキ甘言(今議会での「認可保育園のみ給食費に補助しろ」という陳情に対する「令和元年第4回定例会(9月議会)その2」も別途記述)は、今の子や孫ら後々の世代にツケを回すことになります。
    後世、「あの頃のやつらは自分たちが現世を楽しく暮らすことばかりに目が行く近視眼的な甘ちゃん達だった」と言われるのだけは御免こうむりたいな。これも私が政治を志した原点でもあります。

    自分が可愛い人たち(自己責任を回避して、選挙で票を集めたい人たち)は、すべて反対しとけば、自分に批判は浴びず人気者でいられます。
    現市政が完璧かといえば、私でもそうは思いません。残念ながら、選択を委ねられた議決機関である市議会が、事情を知らない無垢な市民を扇動している悲しい出来事が今回も見られました。フェイクニュースで扇動をバズらせるのはポピュリストの常套手段。これには十分注意しなければなりません。

    自分の票が減り、人気もなくなることを承知の上で、私は今後も事実と判断理由を淡々とお伝えして参ります。


    皆様方には『世代循環型のまち』に向け、「今しなければならない負担は、将来にツケを回すのではなく、今何とかしよう」という方針へご理解をお願いしたいと思います。


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