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平成24年第3回定例会(9月議会)

■原発問題に関する陳情(脱原発都市宣言)
■災害がれきの広域処理に関する陳情
■焼却施設周辺の大気中の放射能濃度の測定に関する陳情
■焼却施設周辺の土壌調査を実施することに関する陳情
■空間線量測定調査の実施回数増加に関する陳情
■有害物質の調査に関する陳情


 鈴木(起風会)の判断 ⇒ ×(すべて不採択)


≪反対討論の内容≫

■原発問題に関する陳情(脱原発都市宣言)について

起風会の考える「脱原発」とは、原発を今すぐに停止することではなく、自然環境や日本経済への影響、代替エネルギーの実現性などを考慮に入れて、段階的に原発への依存度を下げて行くことを指す。
福島第一原発における事故の経験から、100%安全な原発はあり得ないこと、そして原発で一旦事故が発生すると、多くの生命が危険にさらされ、広大な地域が汚染されることを学んだ。
我々も、原発が抱えるこのような危険性は十分理解しているが、いつ原発ゼロにするのか?と問われれば「今すぐではない」というのが我々の考えである。

政府が9月14日に発表した「革新的エネルギー・環境戦略」には、方針の3つの柱として
1.原発に依存しない社会の一日も早い実現
2.グリーンエネルギー革命の実現
3.エネルギーの安定供給

が掲げられている。

この戦略は矛盾だらけだと、各方面から批判されているが、この3つの柱、つまり、グリーンエネルギーの供給力を向上させることにより、エネルギーの安定供給を維持した上で、それに従って原発への依存度を下げていく、という考え方に異論はない。
もし原発を即時廃止すれば、代替エネルギーが確保できないので、電力不足に陥る可能性がある。これを「経済のために命を犠牲にするのか」と二者択一に考える極論もあるが、そのような単純な問題ではない。たかが電気と思われるかもしれないが、様々な医療機器や日々の生活は電気で支えられており、電力不足は命に関わる問題でもある。

ほとんどの原発が停止している現在、この電力不足を解消するため、老朽施設を含め、火力発電所がフル稼働している。これにより、火力発電は、電力供給の約70%を占めていると言われている。この状況が継続するのは望ましいことではない。CO2排出量の増大による地球環境の汚染や、燃料費の負担増による電気代の高騰などの日本経済への影響が懸念されるからだ。
一方、原発の代替として期待される再生可能エネルギーの現状は、総発電量の約10%。しかもその8割から9割は水力発電が占めており、太陽光発電や風力発電等の発電量は、全体の1~2%しかない。技術革新による画期的なブレークスルーの見通しが立たない限り、これらの再生可能エネルギーに過度な期待をかけることは避けるべきだと考える。
再生可能エネルギーに全面的に頼ることができるのか?との問いに、繰り返しになるが、「今すぐはできない」というのが我々の考えなのだ。

本陳情における「脱原発」とは何を指すのか。脱原発には、即原発ゼロを目指す「即時撤退」と将来的に原発ゼロを目指す「段階的撤退」の二つの考え方がある。本陳情における「脱原発」とは、文中に「原発再稼働に反対する」旨の記述があり、「即時撤退」を指していると推測される。

将来的に原発に依存しない社会を実現する「段階的撤退」であればよいが、「即時撤退」には賛成できない。なぜなら、原発からの即時撤退の実現性に疑問があるからだ。繰り返しになりますが、自然環境や経済への影響、代替エネルギーの実現性などを考慮した場合、「即時撤退」は現実的ではないと考える。

陳情項目1の脱原発都市宣言では、原発からの「即時撤退」が求められている。これでは我々の考える脱原発とは異なるため、本陳情の求める脱原発都市宣言には賛同することができない。
陳情項目2で求められている省エネルギーや持続可能な社会を目指す取り組みは、脱原発と一体に考えるべきものではないと考える。
本陳情では、
①電力買取り制度、②発送電分離、③発電所建設の規制緩和
④CO2排出権取引制度、⑤スマートグリッド

などの推進を国に働きかけることや、
①PPSの利用、②再生可能エネルギーの可能性調査、
③節電やピークシフトの推奨、④クールビズやクールシェアの実施

などの施策を自治体独自で行うことが求められている。
これらの施策は、脱原発をする、しないに関わらず、社会全体で取り組むべき課題であり、たとえ原発を存続するとしても、実施すべきもの。これらの施策を脱原発と結び付けて「脱原発に資する取り組み」として扱うのは少し話が違うだろうと思う。

「原発からの即時撤退」を求めることには賛同できないこと、「省エネルギーや持続可能な社会に向けての取り組み」は脱原発と切り離して議論すべき施策であることを強調し、本陳情に対する反対の討論とする。

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■災害がれきの広域処理に関する陳情について

我々が考える「震災ガレキの広域処理」とは、安全なゴミを十分な設備を持つゴミ処理施設まで運び、そして、燃やす、ということである。

今回の全国での受け入れでは原発事故が発生した福島県のものは除かれることが大前提となっており、稲城市へ搬入されるのは、福島第一原子力発電所から100㎞以上離れた宮城県牡鹿郡女川町で、地震に伴い発生した、津波被害による、国の基準値も大幅にクリアしている、震災がれき、被災地ゴミであるということ。
勘違いされている方もいるが「放射能ゴミ」を焼却しようという話ではない。
災害ガレキの広域処理というものは、被災地復興に向けた重要施策のひとつである。
我々起風会も女川町の選別場で、万全を期した手選別作業と、厳重な放射線測定作業を確認すると同時に、その被災地復興を妨げているガレキの山を目の当たりにして、心底、愕然とした。
ここは「また東北生まれのお情けちょうだいか」と言われても、何度も言うが、いつまでもガレキの山がある状態では街に明るい未来はありえない。
ガレキの山は視覚的にも物理的にも絶望を与え続けるだけで、希望をなくした若者は他所へ流出し、街そのものがなくなってしまうことが危惧されている状況である。
だからこそ、一刻も早くガレキの山をなくすことが復旧・復興の上で、大変重要なことなのだ。
この点に関しては、皆さんに必ずご理解いただけると信じている。

陳情理由には数百Bq/kgとあるが、ゴミ処理に対して定められている基準は240Bq/kg以下である。女川町の被災地ゴミの放射性物質濃度は、東京23区の試験焼却以来の結果で、45Bq/kg程度から、最大でも84Bq/Kgと出ており、国の基準である240Bq/Kgを大きく下回っていることが確認されている。
また、さらにこの最大数値である84Bq/Kgであっても、再生利用品のクリアランスレベルである100Bq/Kgをも下回っている状況。

10月1日から災害廃棄物の多摩川衛生組合への受け入れが始まるが、毎週1回義務付けられている清掃工場の敷地境界測定については、数値公表のツールであるべきHP更新の遅さを指摘し、受け入れ開始後は毎週数値を発表していくよう、多摩川衛生組合議会議員として、9月27日に再度、多摩川衛生組合議会議員として、組合運営側へ強い申し入れを行ったばかり。
その他有害物質についても、先般の建設環境委員会において安全性の担保が確認されている。

今回に多摩川衛生組合が受け入れる予定の災害廃棄物900トンという量は、近隣市である日野市クリーンセンターが受け入れる1400トンに比べて7割の量。稲城市のお隣り、多摩市の多摩ニュータウン環境組合が受け入れる3980トンと比べると4分の1以下と、近隣他市から見ても「稲城は少ない」と言われている。余談だが、この900トンという量は今年度、小金井市のごみ処理協力をしている9000トンの10分の1の量でもある。

本陳情においては、今の政府が作った国の基準を、信じられる、信じられないという議論はあると思うが、一定の科学的根拠をもとに定められた基準値の、さらにその3分の1以下の数値という安全性が担保された被災地ゴミを受け入れないというのは、稲城市民には『困った時はお互い様』という精神が無い、とも言われかねません。自助共助という言葉は、自分だけが助かれば良いということではなく、共に助け合っていこうという心掛けの言葉である。
東北を支援し、日本を復活させようという市民の前向きな声を代弁し、本陳情に対する反対の討論とする。

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■焼却施設周辺の大気中の放射能濃度の測定に関する陳情
■焼却施設周辺の土壌調査を実施することに関する陳情
■空間線量測定調査の実施回数増加に関する陳情
■有害物質の調査に関する陳情


今回の件で、大前提は、宮城県女川町から受け入れる災害廃棄物は、現地で細かく手選別をされ、各種厳格な測定を行なった上で持ち込まれる安全な廃棄物であり「放射性廃棄物ではない」という点である。私ども起風会としても実際に宮城県女川町の現地選別場へ赴き、その事実を確認しており、この点は強く主張させていただいた上で、受け入れ先である稲城市を始めとする多摩川衛生組合周辺の住民の方に安心していただくために、国の基準に基づいた測定を行なった上で受け入れを行うべき、という事が陳情の争点であると考える。

・10号陳情の焼却施設周辺の大気中の放射能濃度の測定について
まず、クリーンセンター多摩川については、私も多摩川衛生組合議会議員の一人として「法に則り、厳重に測定すること」を再三要望しており、事実、組合においては放射性物質汚染対処特措法の規定に基づき、敷地境界東西南北を週1度測定し、その結果をホームページに掲載しているところである。※併せて上述の通り、HPの更新頻度改善を要望している。
我が稲城市においては多くの住民要望、それを受けた多くの議員の働きもあり、昨年6月より市内38箇所の市立小・中学校、保育園、幼稚園の校庭及び園庭で地上5cmと1mの高さで、基本的に月1回の頻度で空間放射線量の定点測定を継続的に実施している。
測定方法及び測定数値は、市ホームページ等で公表しており、この取り組みを災害廃棄物を受け入れる10月以降も継続するということは先ほどしっかり確認できたところである。
これは、多摩市において行なわれている市内2箇所のみの測定に比べても、箇所数だけでも19倍の充実したものと言え、その中には、多摩川衛生組合近くの施設として、第3小学校、城山小学校、城山保育園等も含まれている。陳情に書かれている「多摩市のように」と言われると、稲城市の方がより強力な取り組みを行っていることは厳然たる事実である。

・第11号陳情の焼却施設周辺の土壌調査を実施することについて
宮城県女川町の災害廃棄物は、国が定めた「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理に関する基準」における240Bq/kgを大きく下回っていることも確認でき、何度も申し上げるが、放射能によって汚染された廃棄物ではないにも拘らず、安心感を増すために、コンテナに密封し移動・搬入されるものでもある。国の基準値を下回っている以上、くどいけども「今の政府は信用できないのだ」という反論もあるが、稲城市としては法定内の数字である内は、さらなる土壌検査を実施する必要はないと考える。

・12号陳情の空間線量測定調査の実施回数増加について
前述通り、多摩川衛生組合でも議論されたが、現在、敷地境界の東西南北を週1度測定し、その結果をホームページに掲載していくことが確認され、またHP更新頻度改善を要望している。
週に1度の測定は国が定めた放射線物質汚染対処特別措置法で規定されている回数であり、それを厳守することがまず求められることだ。

・13号陳情の有害物質の調査について
都内の清掃工場においてアスベストや、水銀が検出されたとの指摘でだが、これらは残念ながら災害廃棄物受入以前にも検出されており、廃棄物混入量から見ても、災害廃棄物を原因とするものとは断言できないと思う。
また、測定結果も、アスベストは石綿繊維1本/ℓに満たないとの回答であり、アスベストを取り扱う施設の敷地境界における基準値である1ℓあたり10本と比較して10分の1の数値である。
陳情の指摘にある通り、住民の不安を払拭するために現地女川町の選別処理施設では、アスベスト測定を7月から始め、選別処理施設周辺9箇所でもその結果、アスベスト不検出となっており、さらに今後も継続して測定を行う旨の回答がなされている。
排ガス中の水銀濃度についても災害廃棄物を受入れる前から同様の事例があったということであり、それこそ我が稲城市で数年前に問題となり取り沙汰された、水銀を含む蛍光管や乾電池焼却などはあってはならないが、これも今回の災害廃棄物に起因する話ではないと考える。
さらに多摩川衛生組合でも、アスベストについて多摩地域受入7施設と連携を図り、災害廃棄物の受入前、受入後に測定する予定であることを確認。排ガス中の有害物質であるフッ素化合物、水銀等については、年8回実施している測定の内、受け入れ期間中に2回、年2回行なっているダイオキシン類としてPCBを受け入れ期間中1回測定するとも併せて確認した。

以上を総合的に勘案した結果、
今回の第10号~13号の4陳情について、科学的また法的根拠を熟慮し、稲城市としては既に対応をしている状況であり、来月10月~12月までの受け入れ期間3ヶ月のためにさらなる投資を実施する絶対的な必要性が見られないとの結論に至り、本陳情に対する反対の討論とする。


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