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平成29年第3回定例会(9月議会)

「全国に誇る若葉台地区の景観と環境の保全並びに将来の稲城市の高齢者や子育て支援等に向けた若葉台小学校なかよし校舎跡地の土地利用方針等の見直し」に関する陳情

 鈴木の判断 ⇒ 不採択

9/15建設環境委員会での結果は賛否同数(3対3)、委員長判断で不採択。
9/29本会議にて再度審議され賛成9、反対12にて「不採択」で結審。


《起風会としての反対討論(抜粋)》

まず始めに、陳情が求める2つの内容について、再度明確化させていただきます。
1点目は、景観との調和や高齢者・子育て支援の施設設置のため、なかよし校舎跡地の地区計画を変えることを求めています。
2点目は、新たな地区計画策定まで、UR都市機構に土地売却の留保を強く要請することを求めています。

建設環境委員会では、住民の気持ちを汲み賛成する、という意見もありましたが、議会は「言論の府」でありますから、この陳情項目の文言・表現がどういう意味を持つのか、これを認めたらどうなるか、ということまで考え抜いた上で、結論を出す必要があります。
この点は私が本陳情の賛否を決める上で、最も重視したことですので、陳情を提出された皆さまにも、どうかご理解いただきたいと思います。
URが公募する際、住民からの要望事項のほとんどが応札事業者の遵守事項とならなかった点、そして落札後の事業予定者からの説明が住民への配慮に欠けるものであった点については、私も強い憤りを感じております。陳情者の皆さまの悔しい思いも十分理解しているつもりです。

しかし本陳情の内容については、次の3つの理由から残念ながら賛成することはできかねます。

1つ目の理由は、本陳情が求める内容が、行政の基本的な原則に反するものである、という点。
2つ目は、本陳情に対して、稲城市にできることは、既に取り組み済みである、という点。
そして3つ目は、市議会議員として市全体の将来を見据え、この問題の本質を突き詰めて考えるならば、白紙撤回が唯一の解決策ではない、という点。

1つ目の理由として述べた、行政の基本的な原則に反する点というのは2つあり、「法の不遡及」(法令は制定前の事実にまでさかのぼって適用されないこと)と「民事不介入」(民-民の関係には行政は介入しないこと)の原則であります。
陳情項目1は、公募により事業予定者が決定している現段階で、地区計画の変更を求めています。「法の不遡及」の原則に従う限り、今後地区計画を変更できたとしても、今回の土地売買に対しては適用できないと考えられます。
「事業者が白紙撤回すれば、新しい地区計画を適用することはできる」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合は、民間事業者が購入を決めた土地売買に対して、それを行使させないように行政が介入するのですから、「民事不介入」の原則に反すると考えられます。
陳情項目2についても、URは独立行政法人であるから完全に民間か、という疑義はあるもののURに一定期間の販売差し止め要求を行うのですから、独立した事業体に対し行政が圧力をかける、と言う意味で「民事不介入」の原則にそぐわないのではないか、と考えます。

次に2つ目の「稲城市にできることは、既に取り組み済みである」という点について、であります。
本件は、URと民間事業者との間の土地売買です。そのようなほぼ民間同士の取引に対して稲城市ができることは、UR側に「住民の理解が得られるまでは契約をしないでほしい」と要望することだけです。それ以上の白紙撤回を求めるような対応は、先に述べた通り、非常に難しいと考えます。
更に稲城市は、陳情者から要望書を受けとる以前からURに対して住民理解を得るように働きかけを行っていましたし、そして要望書を受けた後に、再度URに申し入れを実施しています。このことは、建設環境委員会での市の答弁から確認することができております。
そのため、市行政にできることは既に実施済みであり、陳情採択により改めて市に対応を求める必要は薄い、と考えることができます。

そして3つ目の「白紙撤回が唯一の解決策ではない」という点について説明します。
まず、今回のシニア向け分譲マンション建設計画について、戸建てだけでなく若葉台全体を対象とした説明会は開催されていないこともあり、このマンションを心待ちにしている若葉台住民の声は反映されていません。私自身、そのような声を複数の若葉台住民から直接お聞きしています。
若葉台地区の方々は、陳情などにより賛成反対の意思表示を表立って行っているわけでははないので、若葉台地区に住んでいない方々には、なかなか実感を持って、知ることができないかもしれません。しかしこの地区に住んでいる議員としては、そのような声にも耳を傾け、その思いを汲み取るべきではないか、それこそが地方議員の果たすべき役割ではないか、と感じています。

また、陳情項目には、高齢者の施設設置も含まれていますから、シニア向け分譲マンションの建設自体に反対している、というわけでは無いと考えます。この陳情は地区計画の見直しや実質的な計画の白紙撤回を求めていますが、これは双方のボタンの掛け違いであり、陳情の本当の目的は、事業予定者に誠実で丁寧な対応を求めていただけ、ではないかと感じられます。
このような背景を踏まえると、市議会の陳情採択いかんによって事業予定者に圧力をかけるのではなく、両者が話し合い、譲歩し合うことが、若葉台地区に禍根を残さない良好なコミュニティづくりのために求められることではないでしょうか。

事業予定者の説明に誠実さが感じられない対応には、強い憤りを感じています。事業予定者は、住民の理解の得られるように、計画見直しのテーブルに着くべきだと考えております。

しかし本陳情が求める2項目は「法の不遡及」「民事不介入」の原則に反するため、市が実施することはできませんし、市が実施可能な「URへの要望」については、本陳情を建設環境委員会で審議する前に実施しています。
そして地域全体に耳を傾け、陳情者の本当の思いを汲み取るならば、地区計画の見直しやシニア向け分譲マンション計画の(実質的な)白紙撤回が、唯一の解決策でないことが分かります。

さらに、今回の陳情を認めてしまうと、「地区計画に沿った建物を建てるために土地を売却しようとしても、近隣住民の同意が無ければ売却を差し止めることができ、地区計画も後から変更することができる」前例となってしまいます。そうなると、「地区計画」という一定のルールに沿って土地開発を進めていく、という稲城市のまちづくりの在り方そのものを否定することにつながりかねません。これでは、若葉台地区どころか、稲城市全体の将来的なまちづくりに大きな禍根を残すことになるのではないでしょうか。

以上の考察を踏まえ、本陳情の内容には賛成できない、との結論に至りました。

尚、以前の長峰地区・あすか創建建築計画陳情の際には趣旨採択としましたが、その時は「稲城市行政の都市計画マスタープランと大幅に齟齬がある点」を踏まえて趣旨を汲みました。
今回の件については、行政落ち度が認められないため、行政をチェックする議員側としても賛成するに理由付けが困難な状況でした。
ちなみに、賛成討論を行われた議員各位は、残念ながら誰一人として「陳情内容の本質」に触れることなく、「住民の気持ちに寄り添え!」という討論でした。





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