平成30年第1回定例会(3月議会)

  •  


  • ■稲城市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例

     鈴木の判断 ⇒ 賛成

    3/9総務委員会での結果は全員賛成(5対0、欠席1)で採択
    3/28本会議にて再度審議され賛成14、反対6、欠席1にて「採択」で結審。

    賛成14名:池田議員・坂田議員・中山議員・原島議員・渡辺議員(新政会)、市瀬議員・大久保議員・尾沢議員・つのじ議員(公明党)、中田議員・鈴木(起風会)、梶浦議員(民進党)、村上議員(稲城生活者ネットワーク)、伊藤議員(無所属)
    反対6名:榎本議員・佐々木議員(改革稲城の会)、岡田議員・山岸議員(日本共産党)、荒井議員・藤原議員(市民自治を前進させる会)
    欠席1名:岩佐議員(改革稲城の会)


    《判断について》

    本議案は、市民と有識者で構成される「稲城市特別職等報酬審議会」からの答申として議案化されたもので、市長・副市長・教育長・市議会議員らの特別職について、その月額を約4~5%引き上げるという内容です。理由は人口増加や社会状況変化など色々とありますが、一番は「稲城市の報酬額が東京都下49市区自治体の中で著しく低い(最下位)」という点とのこと。これではなり手も減っていくのは当たり前だと。
    これまでの稲城市における市議会議員報酬並びに政務活動費を、近隣自治体と比較してみると、以下のようになっております。

    ---
    自治体名 議員報酬月額/政務活動費月額=合計月額(稲城市との差額)
    ※稲城市は赤文字表記

    ◆南多摩5市
    八王子市 61万0000円/6万0000円= 67万0000円(+22万1000円)
    町田市  55万0000円/6万0000円= 61万0000円(+16万1000円)
    日野市  54万5000円/4万5000円= 59万0000円(+14万1000円)
    多摩市  49万4500円/2万6000円= 52万0500円(+7万1500円)
    稲城市  42万4000円/2万5000円= 44万9000円

    ◆東京第22選挙区
    三鷹市  55万0000円/2万7000円= 57万7000円(+12万8000円)
    調布市  55万0000円/2万5000円= 57万5000円(+12万6000円)
    狛江市  46万5000円/2万5000円= 49万0000円(+4万1000円)
    稲城市  42万4000円/2万5000円= 44万9000円

    ◆東京第21選挙区
    八王子市 61万0000円/6万0000円= 67万0000円(+22万1000円)
    立川市  55万5000円/5万0000円= 60万5000円(+15万6000円)
    日野市  54万5000円/4万5000円= 59万0000円(+14万1000円)
    多摩市  49万4500円/2万6000円= 52万0500円(+7万1500円)
    国立市  49万0000円/1万0000円= 50万0000円(+5万1000円)
    稲城市  42万4000円/2万5000円= 44万9000円

    ◆生活圏が同じ近隣自治体(参考)
    横浜市  95万3000円/55万0000円=150万3000円(+105万4000円)
    川崎市  83万0000円/45万0000円=128万0000円(+83万1000円)
    相模原市 67万0000円/10万0000円= 77万0000円(+32万1000円)
    府中市  55万0000円/ 4万5000円= 59万5000円(+14万6000円)
    稲城市  42万4000円/ 2万5000円= 44万9000円
    ※政令指定都市とはいえ、稲城市の報酬+政務活動費の総額が、横浜市・川崎市の政務活動費単体にすら及ばないという状況は、これはこれで凄いですね。

    ◆特別区23区・多摩26市の最高値(参考)
    区部では葛飾・江戸川両区 62万1000円+政務活動費
     ※政務活動費は世田谷区 24万0000円
    市部では八王子市 61万0000円/6万0000円=67万0000円

    ◆特別23区・多摩26市の最低値(参考)
    区部では中野区 58万7200円+政務活動費
     ※政務活動費は荒川区 8万0000円
    市部では羽村市43万0000円/1万5000円=44万5000円(-4000円)
      ※稲城市は42万4000円/2万5000円=44万9000円

    都内49市区で報酬+政務活動費の合計額が稲城市を下回るのは上述の羽村市のみで、明記した通り報酬という括りだけで見れば稲城市は最下位
    また、政務活動費とは別に費用弁償(日当・宿泊料等)が随時支給される自治体もありますが、稲城市議会は費用弁償皆無です。

    出典:【平成29年7月全国市議会議長会 市議会議員報酬に関する調査結果(平成28年12月31日現在)】より
    ---


    ■政務活動費とは(稲城市の場合)
    私も元々サラリーマンでしたが、仕事で使用する会議費や通信費、文房具、コピー代、出張費用等々に至るまで「当然の経費」として会社が支払っておりました。が、議員という立場にはそうした必要経費を支払ってくれる存在がありません。その充当のために政務活動費と報酬が存在しています。
    他自治体に比べても、稲城市の政務活動費は厳格に運用されております。
    また、誤解されている方が多いのですが、議員報酬は課税対象です。各種税金は勿論、議員互助会費等の天引きもあります。
    そして、「会派の活動報告書」は政務活動費で支出できますが、「政治家或いは稲城市議会議員個人としての活動報告書」は政務活動費として認められないため、全て報酬内から支出することとなっております。
    ※当然ですが、4年に一度の選挙費用や、他自治体議員との交流や意見交換会(接待は無いですが、勉強会後の懇親会にすら出る資力が…)なども、政務活動費には計上出来ませんので、全て報酬から支出しています。


    今回の「第3号議案 稲城市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」は、市民で構成された第三者機関である稲城市特別職等報酬審議会の答申結果として出された議案です。市長・副市長・教育長の報酬増額も同時に出されていますが、私は市議会議員の立場なので議員報酬の範囲で、先ずお話ししたいと思います。


    そもそも、議員報酬は「報酬」であって「給料」ではありません。それを最大限に活用して日々活動していくことが求められる「血税」だと私は解釈しています。
    これが増額になるわけですが、増額後でも上記一覧の中ではまだ最下位水準というのは変わりません(人口や市域面積が稲城【人口:90,112人/面積:17.97km2】より少ない国立市【人口:74,590人/面積:8.15km2】や狛江市【人口:82,202人/面積:6.39km2】にも及ばない)。

    私自身の実体験として、これまで金銭的制約により活動領域・量ともに制限される場面もかなり多く無念に思っていましたが、これにより多少改善され、更に市民の皆様との意見交換の場や活動機会が増やせることは本当にありがたいことです。
    「じゃあ、どんな活動をしているんだよ?」という点を明確にするため、2011年(平成23年度)の初当選以降(それ以前も)、「公私問わず365日全ての行動を公開(いなぎ暮らし日記)」しておりますので、よろしければご覧いただけますと幸いです。

    また、議員定数調査特別委員を務めていた時にも明言しましたが「志ある未来の人々の芽を摘むのは、現役の我々が名誉欲しさや選挙向けパフォーマンスがために、無責任にやるべきことではない。弾力性を持たせるべき」と私は考えています。
    実際、市民の皆様からは「議員定数を減らして、その削減分、議員報酬を引き上げて、能力も有り、市民のために活躍できる、志高い人が議員になって精力的に戦おうと思える稲城市議会とすべき」というご提案もいただいております。
    大問題となった怠慢・迷惑議員の辞職勧告提案に、否決された議員各位の判断は、私や上記市民の方々の声とは相反しますが…。

    今回、本議案を否決された6名(欠席1名)の議員各位(改革稲城の会・日本共産党・市民自治を前進させる会)は、「それほどの活動費に自分は値しない」という謙遜、或いは「そもそも、そんなに活動していない」という自己認識かと思われます。
    或いは、どこかの政党や団体に所属しているから、そこから経費も出るので問題ないという認識かもしれません。私みたいな完全無所属からすると羨ましいけしからん話ですが。
    (2018年3月末現時点で、政党や組織に所属(支援)した選挙経歴が一切無い稲城市議会議員は荒井議員・榎本議員・中田議員・藤原議員・鈴木の5名のみ)

    以前私が批判を展開した『平成25年第4回定例会(12月議会)稲城市議会議員の議員報酬の臨時特例に関する条例』の際は、私ども起風会は当該計算減額以上の「19万2631円(60万円中)」の政務活動費を使用せず返納した過去があります(議員等、選挙で選ばれる者が当該選挙区に対して「寄付」行為をすることは公職選挙法で禁止されているための苦肉の策ではありますが、「口先だけの選挙目当て議員」に辟易していたので敢行)。

    …ちなみに当時、同議員報酬減額議案(稲城市議会議員の議員報酬の臨時特例に関する条例)を提案した会派(現在は消滅している「無所属の会」の議員3名:川島やすゆき議員・渡辺たつや議員・岩佐ゆきひろ議員)は議員報酬の満額受領は勿論のこと、こうした調整可能な政務活動費までも全額使い果たされており、「なんだ、結局口先だけだったのか…」と、とてもがっかりした記憶があります。→参考資料

    私どもが行った上記の方法と同様であるならば(他にも国庫納入等の手法はあるが、それらは稲城市にほぼ返って来ない)、増額分2万1000円×約16ヶ月分(期末手当含む)=約33万6000円/年なので、政務活動費2万5000円×12ヶ月分=30万0000円を上回る額となります。よって、反対された3会派(改革稲城の会、日本共産党、市民自治を前進させる会)に関しては、「本来貰わないようにする金額には少し足りないが、姿勢を見せて政務活動費は全額返納!」を断行されると思います。


    「選挙目当てのパフォーマンスかどうか」「口先だけ議員にだまされたくない」、そうした部分を確りと見極めようという有権者の皆様は、本年平成30年4月や来年平成31年4月に判明する各会派単位の政務活動費使途報告にもご注目いただけますと幸いです。
    →コチラからご確認いただけます

    また、市議会議員報酬増額については最上段に記述の通り賛否分かれましたが、他特別職(市長・副市長・教育長)報酬増額については、改革稲城の会が「賛成」という点も、反対討論されていた佐々木あきら議員(改革稲城の会)の討論内容と真っ向から矛盾するのでとても気がかりでした。どうせなら首尾一貫してこちらも反対すべきなのですが…。(日本共産党、市民自治を前進させる会は首尾一貫してこちらも反対しておりました)

    議員定数削減もそうですが、こうしたところで「議員は悪」として、選挙の謳い文句や、ポピュリズム丸出しで自己批判をして偉いと思い込んでいるのは、私自身あまり好きではありません。
    本来の「議員の役目」含めて、戦うべきことを何か履き違えているのではないか、と。


    私、並びに起風会としては、いただいた機会を最大限活用し、今まで以上に活動を発展・深化させ、その活動内容全てを公開し続けていくことをこの場を借りてお約束申し上げます。


  •  稲城市議会 会議録の検索と閲覧

     稲城市議会 映像検索システム